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2016/09/04

1979年の個性


1979年名車のそろい踏み。79年といえばウイリアムズFW07も欠かせないけどマシンコンセプトとしては79に準ずるので、この年の個性はこの3車に集約されると思う。見れば見るほどあらゆる部分で3車三様だ。まずはそのフォルム。もっぱらサイドウイングの効率を最優先させた伸びやかなフォルムの79、コックピットまわりの整流に神経質なリジェ、フロントアームシェアリングあたりから全体として翼断面を意識したT4。それぞれのデザイナーの、「空気はこう流れているはず」という考え方が如実に感じられる。もちろん、デザインに対するお国柄も色使いと完全にシンクロする。ダイナミックでセクシーなイタリアンレッド、あくまでエレガントなフレンチブルー、そして質実剛健なブリティッシュグリーン。リアウイングも個性的だ。モナコ仕様のT4はとにかくヨー慣性を小さくすべく極端に前進した超幅広、リヤカウルから跳ね上げられた気流を受け止めるようなJS11、ウイング裏側の気流を最大化すべく翼端坂支持とした79、いずれもコンセプトは明確だ。フロントウイングもT4、79ともダウンフォースの多くを担っているが、リジェは後半戦ではウイングレスになることでわかるように、あくまで整流が目的で付随的でしかない。ドライバーのヘルメットも多様な時代だった。ラフィーのGPAは顎紐のかわりにヘルメット下部のラバー部で首を固定するストラップレスシステムや空力を意識してバイザー端部がヘルメットの内部に入り込む形状など、ひと目で分かるほどのフランスらしい個性的で合理的なデザイン、僕が一番好きなタイプだ。アンドレッティのBell Banditは1977年公開のスターウォーズの影響かどうかは分からないがかなり強烈なアイデンティティ、アメリカ感全開だ。当時アンドレッティはイタリア系とはいえ、アメリカ代表みたいな存在感だったのでお似合いといえばお似合いだ。シェクターはこのモデルでは表現できていないが、火災にそなえて首回りにベージュの防火布をぐるりと巻き付けていた。。まあいくらでもエピソードが出てきそうな本当に個性的な時代だったんだなとしみじみと思う。

9月のレースが楽しみだ。

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